昭和40年代当時、高度成長期ではあったがまだまだ裕福ではなく、海外旅行はおろか国内旅行もそれほど頻繁に行ける時代ではなかった。中には毎年のように旅行する人もいたが、普通の家庭では旅行は特別な超ビッグイベント。我が家も田舎には毎年帰っていたが、家族旅行は記憶になく、私が5年生か6年生のとき、後にも先にも唯一の山陰旅行に行った。山陰は温泉がたくさんあるからどこかははっきり覚えていないが(恐らく玉造温泉と皆生温泉)、出雲大社、宍道湖、鳥取砂丘などを二泊三日くらいで回ったと思う。広島だからなのか、我が家だけなのかわからないが、そのときほうじ茶をたぶん生まれて初めて飲んで、なんじゃこりゃあと驚いた記憶がある。あとは松葉ガニと出雲そばなどがおいしかった。